コム・デ・ギャルソン・オムの異素材ミックスコートを救え!他店拒否の難題を「匠の技」で完遂

2026.05.07

コム・デ・ギャルソン・オムの異素材ミックスコートを救え!他店拒否の難題を「匠の技」で完遂

今回ご紹介するのは、日本が世界に誇るアヴァンギャルドの最高峰、「COMME des GARÇONS HOMME(コム・デ・ギャルソン・オム)」のロングコートです。

ギャルソンの服には、単なる衣類を超えた「思想」が宿っています。しかし、その独創的なデザインゆえに、クリーニングの現場では「最も断られることが多いブランド」の一つでもあります。

特にお預かりした「異素材ミックス」のモデルは、クリーニング店にとっての難題がすべて詰まったような一着。他店で断られ、諦めかけていたお客様の想いに、私たちはどう向き合ったのか。

ブランドの壮大な歴史を紐解きながら、モリクリのこだわりを詳しく解説します。


1. 既成概念を破壊し続けた「コム・デ・ギャルソン」の歴史

コム・デ・ギャルソンの歴史を語ることは、戦後ファッションの「革命」を語ることと同義です。

始まりと「黒の衝撃」

1969年、デザイナー・川久保玲氏が「コムデギャルソン」の活動を開始しました。ブランド名はフランス語で「少年のように」という意味。そこには「誰かに媚びるのではなく、自立した女性が自分のために着る服」という強い意志が込められていました。

最大の転換点は1981年。パリ・コレクションへの初参加です。
当時のパリは、きらびやかでセクシーな「装飾の美」が主流でした。そこへ川久保氏は、穴の開いたニット、切りっぱなしの裾、そして全身を真っ黒なボロのように見せるアシンメトリーな服を投入しました。

このコレクションは、現地メディアから「黒の衝撃」「ヒロシマ・シック」と揶揄されましたが、同時に既成の美の価値観を根底から覆しました。それまで「喪服」でしかなかった黒を、最もファッショナブルで強い色へと昇華させたのです。

コム・デ・ギャルソン・オムの誕生と「GOOD SENSE」

1978年、ブランド初の紳士服ラインとして誕生したのが「コム・デ・ギャルソン・オム」です。
川久保氏から始まり、現在は渡辺淳弥氏がデザインを継承しています。オムの核となるコンセプトは「GOOD SENSE(グッドセンス)」。

これは単に「センスが良い」という意味ではありません。伝統的なメンズウェアのルールを深く理解した上で、そこに「わずかな違和感」や「素材の再構築」を加えることで、知的な遊び心を表現することを指します。

異素材パッチワークという「魂」

今回お預かりしたコートにも見られる「異素材ミックス」や「パッチワーク」は、オムの歴史の中で繰り返し磨かれてきた手法です。
ウール、コットン、ナイロン……時には性質の全く異なるデッドストックの生地を組み合わせる。
「本来交わらないものが、一つのシルエットとして完成する」
その圧倒的な存在感こそが、世界中の服好きを虜にし続ける理由なのです。


2. なぜ、他店は「異素材コート」の受付を拒否するのか?

多くのクリーニング店が、ギャルソンの異素材ミックスコートを敬遠するのには明確な理由があります。そこには、一般的なクリーニングの常識が通用しない「3つの壁」があるからです。

壁 その1:移染(色移り)の恐怖

濃い色のウールと、淡い色のコットンが隣り合っている場合、洗浄液の中で濃い色が淡い部分へ一瞬で移ってしまう「移染」のリスクが非常に高いのです。特にギャルソンは独自の染めや「縮絨(しゅくじゅう)」加工を施していることが多く、一般的な「まとめ洗い」は致命的な失敗を招きます。

壁 その2:収縮率の違いによるシルエットの崩れ

素材によって、水や熱に対する「縮み」の度合いは全く異なります。
ウールは縮まなくても、裏地のキュプラや切り替えのナイロンが縮んでしまうと、生地が内側から引きつれてしまいます。一度狂ったシルエットを元に戻すのは、至難の業です。

壁 その3:仕上げ(アイロン)の極限難易度

素材ごとに最適な蒸気の量、温度、プレス機の設定が異なります。ウールの設定でアイロンを当てればナイロンが溶け、ナイロンの設定ではウールの頑固なシワは伸びません。一枚のコートの中で、常に設定をミリ単位で切り替えながら仕上げるには、気の遠くなるような手間と熟練の勘が必要です。


3. モリクリが「おまかせください」と言い切れる理由

「難しそうだから」と敬遠される服こそ、私たちの真骨頂です。モリクリでは、1973年の創業以来、親子二代で磨き続けてきた技術で、この難題に挑みます。

https://www.instagram.com/reel/DUzCHi-EiR9

徹底した「一点手洗い」と溶剤管理

私たちは、ベルトコンベア式の流れ作業は一切しません。
まずは素材ごとの染色堅牢度をチェック。移染の危険がある場合は、色が動かない特殊な溶剤を選定し、素材の境界線に細心の注意を払いながら、職人が手作業で汚れだけを落としていきます。

84歳の匠が吹き込む「シルエットの命」

モリクリには、この道一筋の84歳の現役職人がいます。
ギャルソンのコートは、パターン(型紙)が非常に立体的です。平面的なアイロンでは、その美しい造形を殺してしまいます。

匠は、素材ごとの特性を見極めながら、手アイロン一本で蒸気をコントロール。異素材の繋ぎ目にあるわずかな歪みさえも、指先の感覚で元の美しいラインへと戻していきます。
これは、最新の機械をいくら導入しても決して真似できない「経験」という名の技術です。


4. 【事例紹介】蘇ったギャルソンの「風格」

今回お預かりしたコムデギャルソン・オムのコートも、全体に蓄積した汚れをさっぱりと落としつつ、異素材のコントラストがより鮮明に、力強く蘇りました。

コムデギャルソン・オムの異素材ミックスコート
コムデギャルソン・オムの異素材ミックスコート

お客様からは、「他店でリスクを説明されて怖くなり、ずっと洗えずにいました。でも、新品の時のような凛とした姿に戻って、またこの冬が楽しみになりました!」という最高のお言葉をいただきました。


5. まとめ:大切な一着は、その「価値」を知るプロへ

コムデギャルソンの服は、決して安価ではありません。しかし、それ以上に「代えのきかない価値」と「持ち主の想い」が詰まっています。

「ハイブランドだから断られた」
「異素材だからと嫌な顔をされた」

そんな経験がある方は、ぜひ一度モリクリにご相談ください。
私たちは、一滴の薬剤、一度の温度、さらにアイロンの一押しにまで魂を込めて、あなたの大切な一着を蘇らせます。

ぜったい損させません。
大切な一着、任せるならモリクリ。


【今回のご依頼内容】

  • ブランド: COMME des GARÇONS HOMME(コムデギャルソン・オム)
  • アイテム: 異素材パッチワーク・ロングコート
  • お悩み: 他店での受付拒否、全体的な汚れ、型崩れへの不安
  • コース: プロにお任せコース(特殊洗浄・シルエット復元仕上げ)

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