BEFORE
AFTER
「数年前に買ったモンクレール、なんだかボリュームがなくなってきた…」
「エリ元や袖口の黒ずみが、普通のクリーニングでは落ちなかった」
「大切な一着だから、失敗したくない。どこに任せればいいのかわからない」
モンクレール(MONCLER)をはじめとする高級ダウンを所有する方の多くが、このような悩みを抱えています。
1973年創業の「モリクリ」ことモリモトクリーニングには、全国からこうした「難題」を抱えたダウンが日々届きます。
今回は、ボリュームが落ち、皮脂汚れが蓄積してしまったモンクレールのメンズショートダウンを事例に、モリクリが提供する「10年先も愛用するための精密メンテナンス」の裏側を詳しく解説します。
1. 高級ダウンの悩みNo.1「エリ汚れ・袖口の黒ずみ」の正体
モンクレールを着ていると避けて通れないのが、エリ(襟)汚れと袖口の汚れです。
これらは単なる砂ぼこりではなく、体から分泌される「皮脂(ひし)」が主な原因です。
皮脂は時間が経つと酸化し、ベタつきや黄ばみ、さらには生地の変色を招きます。また、皮脂は生地の表面だけでなく、実は「中の羽毛(ダウン)」にまで浸透していきます。
羽毛に脂が絡みつくと、羽がくっついて開かなくなり、ダウン特有のフワフワとしたボリュームが失われてしまうのです。
「クリーニングに出したのに、あんまり膨らんで戻ってこなかった」という経験はありませんか?それは、表面の汚れは落ちても、中の羽毛に絡みついた「脂」が落ちきっていない証拠です。
2. モリクリ流:オレンジ洗剤による「精密な前洗い」

モリクリでは、いきなり洗濯機に入れることはしません。
まず最初に行うのが、オレンジ由来の専用洗剤による丁寧な前洗いです。
オレンジオイルには、油分を強力に分解する力があります。エリ元や袖口に蓄積した頑固な皮脂汚れ、さらにはファンデーションや整髪料などの油性汚れを、生地を傷めない絶妙な配合で浮かび上がらせます。
熟練の職人が、生地の状態を確認しながら手作業で汚れを分解していく。この「手間」が、仕上がりの清潔感を左右します。
3. 羽毛に栄養を与える「お湯での押し洗い」
皮脂汚れを分解した後は、いよいよ本洗浄です。
モリクリでは、高級ダウン専用の洗剤を使用し、最適な温度のお湯で優しく押し洗いを行います。
ここでのポイントは、汚れを落とすのと同時に「羽毛に栄養を与える」ことです。
質の高いダウンほど、羽毛自体に適度な脂分が含まれており、それが弾力(フィルパワー)を生みます。家庭での洗濯や、知識のないクリーニング店での洗浄は、この必要な脂分まで根こそぎ奪ってしまい、ダウンをパサパサにしてしまいます。
モリクリでは、汚れだけを的確に落とし、羽毛のしなやかさを保つ栄養分を補給しながら洗い上げます。
4. ボリューム復元の鍵は「乾燥の最適解」の見極め
実は、ダウンクリーニングにおいて最も技術の差が出るのが「乾燥」の工程です。
多くのクリーニング店では、タイマーを仕掛けて乾燥機に入れ、終わるのを待つだけです。しかし、それでは最高の結果は得られません。
- 乾燥しすぎ(オーバードライ): 羽毛が熱でやられ、パサパサになって千切れてしまう。
- 生乾き: 羽毛がくっついたまま開かず、ボリュームが出ない。最悪の場合、カビや悪臭の原因になる。
モリクリでは、「自然乾燥」と「機械乾燥」を独自のタイミングで使い分けます。
乾燥機の中でダウンがどのように動き、羽毛がどの程度開いてきたか。職人が一着ごとに手で触れ、その弾力を確認しながら「最適解」のタイミングを見極めます。
中のダウンボールが一枚一枚、花が開くようにふわっと広がり、空気をたっぷり含んだ状態。この状態を極限まで引き出すことで、動画でご覧いただいたような「パンパンのボリューム」が復活するのです。
5. 10年先も「現役の相棒」として輝かせるために
モンクレールは、単なる衣類ではなく、持ち主にとっての「資産」であり「相棒」であると私たちは考えています。
数万円、数十万円という価値がある一着を、わずか数年で使い捨てにしてしまうのはあまりにもったいないことです。
ワンシーズンに一度、プロによる精密なメンテナンスを行うことで、エリ汚れによる変色を防ぎ、羽毛の寿命を最大限に延ばすことができます。
「お気に入りのダウンを、新品の時のあの感動と共に着続けてほしい」
その想いで、私たちは一滴の薬剤、一℃の温度にまで魂を込めています。